久しぶりの書籍紹介ですが、本日は「ウェブ人間論」をご紹介します。
本書は、「ウェブ進化論」で有名な梅田望夫氏と、芥川賞作家、平野啓一郎氏の対談を収録したものです。
(ウェブ進化論に関して、下記記事で解説していますので、あわせてご参照下さい。)
この「ウェブ人間論」は梅田氏のあと書きを借りると、「WEBと人間」の関係、および「WEB人間」の特質を論じたもので、わたくし個人としては大変参考になりました。
しかしながら、このブログの想定読者である
一般の中小企業経営者
にとって、恐らく本書の内容はチンプンカンプンだと思います。対談形式のため内容が構造化されていないこと、それと本書が前提にしている「
ネットの価値観
」というものが、普段それほどネットを使っていない多くの経営者にとってピンとこない、という二つの理由で、本書のエッセンスが中々伝わらないのではと思います。
そこで本書の中から、「経営者」に役立ちそうな部分を抜粋し、それに対して私なりの解釈を加えてみました。題して、「経営者のウェブ人間論」。
ビジネスの最前線を生きる経営者の方むけの、「ウェブ人間論」のエッセンスをこんな観点でまとめてみました。
正月に読んだ本の中でお勧めの一冊をご紹介したいと思います。
ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
ジェームズ・C. コリンズ
ビジョナリーカンパニーは、第1巻が「時代を超える生存の原則」、第2巻がこの「飛躍の法則」となっています。
私は、3年くらい前に初めてこの本と出会ってから、半年に1回くらい読み返しているのですが、この正月にもこの2冊をじっくりと読み返してみました。
1冊目も2冊目も両方とも素晴らし本なのですが、本日は2冊目の方についてお話してみましょう。2冊目の方が、どちらかというと実践的なので、初めて読む人にはイメージが掴みやすいと思います。
さて、この本を既に読まれた方も多いかとは思いますが、私がこの本を読む度に毎回肝に銘じているのが「針鼠の概念」です。と言うのも、経営者として肝に銘じなければいけない考え方が、この「針鼠の概念」には凝縮されていると思うからです。
本日は、京セラの稲盛さんの本を、おすすめ書籍としてご紹介します。
稲盛和夫の実践経営塾
稲盛和夫著(盛和塾事務局編)
私は稲盛さんの大ファンでして、稲盛さんが書かれた本はだいたい購入しています。
ご存じの通り稲盛さんは一代で京セラを育て上げた名経営者でいらっしゃいますが、忙しい経営の合間をぬって、全国の経営者の教育にも熱心に取り組まれています。稲盛氏が主催する勉強会を「盛和塾」といいますが、本書は成和塾の塾生からの質問に対する、稲盛氏のアドバイスを掲載しています。
本書は私の愛読書の一つでして、1年に3回くらい読み返していて、読むたびに色々な「気づき」が得られる本当に素晴らしい本です。
さて、この本では色々と含蓄のある教えがてんこ盛りなのですが、本日はその中からご参考になりそうな記事を取り上げてみましょう。(以下、抜粋です)
<質問> 地方の名門企業の2代目経営者からのご質問です。
私は、ただ単に働きに来てお金を得るという職場ではなく、仕事を通じて心を高められるような職場の実現を図りたいと思い、自分に対してはもちろん、従業員に対しても厳しく経営課題の実現を要求しております。
しかしながら、こういう私の方針に対しては、先代からの経営幹部、また従業員の中からも厳しすぎるという意見が多く、非難があるように思います。同じ経営者仲間からも「他人の弱さが分からないようでは、徳のある人間とはいえない」と言われる始末です。
私は、従業員の非難に対しても、それぞれの気持ちや人間の弱さを理解していくのは度量の問題だと思いますし、またそれは会社経営や組織運営とは全く次元の違う問題だと考えています。
こうした考えについて、塾長のご意見をお聞かせ下さい。
<回答> 稲盛氏の回答です。
ご質問の件は、経営と別問題ではなく、会社経営、組織運営そのものであり、度量の問題ではありません。
まずは、どういう道を歩きたいか、どういう到達地点に至りたいかということを、まず議論しなければいけないのです。「自分が目標とする到達地点に行くためには、こういう生き方を、こういうプロセスを辿らなければなせないのだ」という考え方をすることが大切です。
実はこういう事がありました。知り合いの経営者にこう言われたのです。
「稲盛さん、あなたの生き方は四角四面でしんどくないですか。人間というのはもっといい加減で、失敗もあるものです。私の場合は、私自身がズッコケ社長で、失敗をさらすものですから、社員が慕ってくれます。逆に部下の弱さも良くわかるし、失敗も認めてあげるので、二代目であっても皆がついてきてくれます。
稲森さん、あなたは度量がないのではないか。だから四角四面で厳しい生き方しかできないのではないか。そんな貴方だから、部下もあなたを恐れているのではないか」
しかし、この意見は違うのです。
結論からいうと、目標が違うのに、そのプロセスを比べても意味がないのです。目標によってその方法論は変わってくるのです。
創業以来すでに半世紀を超えているのに、その人の会社は親の代から売上規模は同じ。この程度であればズッコケ社長でもよいのです。私のようにゼロから始めて、30年で売上5千億円の大企業にしようと思えば、こういうストイックな生き方が必要だったのです。
ですから、「稲盛さんのああいう生き方だと、わずか30年であんなにすごいことになるのでしょうな。でも私はそういう生き方は好きではない。自分もしんどし、従業員もしんどいから」というなら正しいわけで、目的地が違うのに、そのプロセスを比較しても意味が無いわけです。
登山でも小さな丘に登るのとヒマラヤに登るのとでは、技術の修練、切磋琢磨にしてもレベルが違うでしょう。「まずどの山に登るのかが、会社の中で議論になるべき」なのです。
具体的な目標を立て、その上でこれを達成するためにはこれしかない、、という方法論にたどり着くべきであります。
どうぞ心して経営に当たられますように。
う~ん。含蓄のある素晴らしい指摘だと思いませんか。
本書はお薦めの一冊ですので、ぜひご一読下さい。
今日からこのブログで、私の読んだ本の中から「社長さん必読」の書籍をピックアップしてご紹介していこうと思います。
本日は、ビジネスマンに人気の「手帳シリーズ」としては、近年異例の大ベストセラー、株)GMOの熊谷正寿社長「一冊の手帳で夢は必ずかなう」をご紹介しましょう。
著者の熊谷さんのブログによると、累計部数が「9万2千部」にもなったそうです。(現役の上場企業の社長さんが書いた本としては、異例の売れ行きですよね。)続きを読む
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